キャリア・マムnews
堤香苗のほんねのはなし
今回は、当社代表取締役・堤によるコラム記事「ほんねの話」をご紹介いたします。
【30年経営して気づいた】「正しさ」より「楽しさ」を。AI時代に私たちが大切にすべき、たった一つのこと
ここ数年、特に2025年あたりから、世の中の「潮目」が変わってきたと感じませんか?
これまでビジネスの世界では「論理(ロジック)」や「正しさ」が重視されてきました。でも最近は、それよりも「感情(エモーション)」や「共感」が人を動かす時代になってきている気がします。
選挙でもビジネスでも、単に政策やスペックが優れているから選ばれるのではなく、「好きか嫌いか」「この人を応援したいか」という「推し活」に近い熱量が勝敗を分けるようになっています。
今日は、そんな時代に私が30年間会社を経営してきて辿り着いた、「AI時代だからこそ大切にしたい、人間らしい働き方」についてお話しします。
AIは「伝える」ことはできても、「寄り添う」ことはできない
最近はどこに行っても「AI」や「効率化」の話ばかりですよね。
もちろん、私たちキャリア・マムでもAIを活用しています。BPO(業務委託)事業の中で、AIの学習データ作成をお手伝いしたり、システムを使って効率化したり。それは否定しません。
でも、私は「人工音声」が大嫌いなんです(笑)。
ニュース番組などで「ここからは人工音声でお伝えします」と流れると、思わずチャンネルを変えてしまうくらい。なぜなら、私にとって「話す」ということは、単に情報を伝達するだけではないからです。
声には、情報以上のものが乗ります。
相手への思いやり、熱量、その場の空気感。
「あなたに寄り添っていますよ」「あなたのことを肯定していますよ」という、目に見えないメッセージが含まれているんです。
AIやロボットは、機能として情報を「差し示す」ことはできます。でも、人の心に「届ける」ことができるのは、やっぱり人だけだと思うんです。
だからこそ、これからのビジネスで勝つのは、頭(スペック)に訴える人ではなく、ハート(感情)に訴える人だと確信しています。
“AIはツールでしかない。最後に人の心を動かすのは、やっぱり人の体温なんです。”
「3匹の子豚」のレンガの家を作りたい
今の時代、SNSでバズって一瞬で有名になることも可能です。いわゆる「アテンション・エコノミー(注目経済)」ですね。
でも、私はあえて映画「国宝」のような仕事がしたいと社員に話しています。
国宝や伝統芸能って、一朝一夕ではできませんよね。歌舞伎役者さんが舞台に立つまでには、何年も何十年も稽古を積み重ねています。
ビジネスも同じで、今日勝った負けたの話ではありません。
童話の「3匹の子豚」を思い出してください。
わらや木で作った家は、狼が来たらすぐに吹き飛ばされてしまいます。でも、一番下の弟が作ったレンガの家だけは、どんな強風にも負けませんでした。
私たち中小企業や個人が、大企業の資本力やAIのスピードに対抗するには、この「レンガの家」を作るしかないんです。
「愚直」と言われてもいい。
自分たちの一番強いところを、一つひとつ丁寧に積み上げていく。
みんなで少しずつレンガを持ち寄って、時にはズレを直しながら、神様が宿るような強固な場所を作っていく。
効率だけを求めて、わらの家を量産するのではなく、30年経っても「やっぱりこれだよね」と言われるような仕事を、私はこれからもしていきたいんです。
「正しさ」よりも「楽しさ」を選ぼう
私は大学で演劇を専攻していました。
そこはもう、ルールなんてあってないような世界(笑)。「今日は映画を見に行きたいやつは出ていっていいぞ」なんて先生が言うような環境で育ちました。
だからというわけではないですが、私は会社経営においても「正しさ」より「楽しさ」の方が大事だと思っています。
組織としては、「言われた通りにやる」「ルールを守る」ほうが管理もしやすいし、楽かもしれません。それが「正しい」とされることも多いでしょう。
でも、言われた通りにやることからは、無難な結果しか得られません。
それよりも、「これもあり、あれもあり」とそれぞれの個性を持ち寄って、楽しさを起点にすれば、可能性は何倍にも広がります。
エジソンは言いました。
「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」と。
成功からは何も生まれません。失敗の中から「次はこうしてみよう」と改善するプロセスにこそ、価値があります。
だから、スマートに正解を出すことよりも、泥臭くてもいいから「やってみて、ダメなら直す(アジャイル)」という姿勢を大切にしたいんです。
誰かの笑顔を作るために、私たちは働く
私がキャリア・マムを立ち上げた30年前は、女性が働くこと、特に母親が働くことに対して、今よりもずっと風当たりが強い時代でした。
「子どもがいるから」「ブランクがあるから」
そんな理由で、働きたいという思いを諦めなければならない人がたくさんいました。
だから私は、どんな状況の人でも「自分らしく働きたい」という思いを叶えられる場所を作りたかったんです。
あれから30年。時代は変わり、働き方も多様化しました。
でも、根本にある思いは変わりません。
「誰かの笑顔を作ること」
仕事って、結局はそこに行き着くのではないでしょうか。
文句を言ったり、誰かのせいにしたりするのは簡単です。でも、それでは何も変わりません。
たった一人でもいい。
自分の子どもでも、パートナーでも、親でも、あるいは画面の向こうのお客様でもいい。
「大切な人を笑顔にしたい」と思って動くこと。
それがビジネスの原点であり、AIには決して真似できない、私たち人間だけの特権なのだと思います。
これからは、そんな「人間臭い思い」を持った人たちが、手を取り合って新しい価値を作っていく時代です。
私も、「表裏がない」ことだけが取り柄の経営者ですが(笑)、これからも皆さんと一緒に、レンガを一つひとつ積み上げていけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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